ネタバレ注意3

一方ひたぎは、忍野に言われることでカミングアウトの動機を得ます。
ひたぎは前の事件がきっかけで阿良々木に好意を持ち始めていました。
何故なら、自分の問題に向き合ってくれたのは彼だけだったから。
それまでに彼女の異常に気付いた人が居ても誰も助けてくれなかったから。
だからこそ彼に惹かれるも、
その感情が自分を助けてくれたことによる感謝によるものなのか、
自らの感情によるものなのか区別が付いていないし、
そもそも彼の行動理由も理解できていない。
だからこそ、「恩返し」をしたいという体で彼の本音を探ろうとします。

が、彼女は気付く訳です。
忍野に言われ、カミングアウトをした後の阿良々木の態度を見て、
自らが二重に間違っていたことを。

正しい事実が一つあったとして自分と阿良々木で見解が別れてしまったとき、
自己の正しさを証明出来ないから阿良々木が盲目的に正しいと判断を下すのは
間違っていると、本来ありえない忍野という「第三者」からの意見。
そして間違っていた自分を導いてくれた第三者からの「肯定」

これがあったからこそ彼女は阿良々木に真実を知らせることが出来たのでしょう。

「私には見えないのよ」

と。
そして真実を知った上でもなお、八九寺を救おうとする彼を見て理解するのです。
-この人は誰でも助けるのだと、私が特別では無かったのだと

つまり阿良々木のひたぎに対する感情が特別ではないのだから、
その行為を素直に受け取れば良い。
彼と話すことが単純に楽しいのだと。
恩を着せようとしているのではない彼の純粋な行為に自分は好きになったのだと。
そしてその感情を肯定出来るのだと。