続き

インブリードとアウトブリード
ダービースタリオン64においてボトルネックとして存在しているZero Effect Limiterことゼル。これが原因で配合には様々な制約が課されています。Winまでが一部のメジャーな配合に偏りが見られたことを是正しようとしたのでしょうが、結局配合の幅を狭めてしまったのか、それとも多様な種牡馬が使われたと評価すべきなのか正直言って私には分かりません。そのゼルを外す手段として一番有効的なスピードとスタミナアップのインブリード。そしてスピード+スタミナのSEによりゼルを外したアウトブリードの二つの手段があります。

97や99においては1本でも多くニトロを詰めるため、インブリードよりもアウトブリードが好まれました。またSEの効果も4*5の1本インブリードと大差無いぐらい効き目を及ぼしていたので明らかにアウトブリードが効率的な流れだったのです。が、64においてはその流れに反発したのでしょう。明らかにインブリードが効果的でSEの効果は今までの約半分程度。ようするに5*5のインブリードと同じぐらいの手応えになったと感じられます。ニトロの高さで有名になったダンスホールは序盤にムーラニクスが出たお陰で持て囃されましたが、2011年現在では罠配合と呼ばれていることもそれと無関係ではありません。もっとも、個人的には5*5のインブリ1本のハンカソとどちらが有効かと言われたら悩むところではありますが。
また、同じ「限界値」内では多重インブリが効果的なのは以前からと変わらず。96でのスイフトワイルドなどが好例。限界内ではインブリがあればあるほど効果的。限界値が変わらないならアウトブリードより多重インブリ配合が好まれる理由はこの辺りにもあります。メジャー所で言えば、ブラダンやコロダン。これらの多重インブリ配合から低繁殖からでも爆発した馬が多く生まれたことから、前述のような繁殖に対する誤解が生まれたのではないでしょうか。
ちなみにインブリでよく話題に上がるスピスタ独立のインブリードを2本掛けは正直お薦め出来ません。これはインブリードの当たり判定の問題だと思われますが、片方が跳ねても片方がすっかすというパターンはどちらでも見ることが出来ますが、スピスタ独立の場合の方が両方爆発するパターンが出難いように感じます。私のインブリに対する考え方は以下の図の通りです。

ここまでを纏めると常識的に考えれば前述の「繁殖能力を高め」「多重インブリが可能な」「安定C」の配合を選べば最強馬が簡単に引けそうな気がしますが、そうは問屋が卸しません。64においてそんな理想的な配合は「存在しない」のです。
64がクソゲーと呼ばれつつも(基本的にクソゲーなことに変わりませんが)なんて素晴らしいバランスが取られているんだと感動したのはこの部分です。限りなく理想に近いブラダンも繁殖の時点ではスタミナにゼルが掛かり満足出来る牝馬が引けない。コロダンも両ゼルを外せる繁殖は引けないし、片方だけでも引こうとすると限界が下がる。逆に繁殖が引けるアサティスフォティテンは安定AとB。ロドリゴデトリアーノも99までのパラなら最強種牡馬になりえましたが、見事に安定Aにされてしまう始末。こと、最強馬生産に関してはダビスタシリーズの中で最も「厳しく」、最も「運を求められる」のが64というゲームなのでしょう。
Winまではバンダンやレイマルなど王道配合を続けていればいずれ「引いた」という感覚を得ることが出来ますが、64に関してはたまたま「引けた」という感覚にしか至れません。なんてギャンブル的で恐ろしく運頼み。
そんな64をやり続けている人達は変態的な人間が揃うダビスターの中でも、最も変態的な人達と言っても過言では無いのかも知れませんね。